【脱党支援センター2020年9月16日】
清華大学経済学部教授で政府顧問の李稲葵(り・とうき)氏が、米国が行ったファーウェイ向けチップ生産停止措置に報復するため、薬品の原材料の輸出を武器化することを考えてもよいと発言しました。この発言は論争を呼び、中国の大学教授はこの手段を「間違っている」うえ「不道徳」と批判しました。また業界内部のある人物は、この種の脅威は「浮世離れした寝言」と一蹴しました。
米国はこのほど、中国の通信大手ファーウェイに対する規制をさらに強化しました。
南華早報(サウスチャイナ・モーニング・ポスト)が8月26日に報じたところによると、清華大学経済学部教授の李稲葵氏は、米国が中国のチップ入手ルートを遮断した場合、中共は薬品と薬品前駆物質(drug precursors)の輸出を武器化すべきだと発言しました。中共の半導体不足がさらに進んだ場合、中共は米国への薬品供給を制限する可能性があります。
李稲葵氏はさらに他のメディアに対しても自身が昨年述べた「ビタミン剤と抗生物質の原材料の90%以上が中国で生産されている」との発言を繰り返しました。同氏は、米国はこれらをすぐには生産できないだろうとも述べています。
一方、北京大学国際関係学院の查道炯(さ・どうけい)教授は8月29日に南華早報(サウスチャイナ・モーニング・ポスト)を通じて、李稲葵氏の提言を「間違っているうえ危険だ。非難されるべきだ」と述べました。
查道炯教授は、いかなる国の個人であっても、いかなる要素の影響も受けずに薬を入手するのは権利であり、必要なことでもあると考えています。また、薬品の輸出を制限した場合、中国で外国の薬品の生産活動が減少するか、完全に排除されるだろうと憂慮しています。
元米陸軍研究所ウイルス研究者の蕭恩氏
「李稲葵は完全に道徳の最低ラインが存在しない呼びかけをしている。正常で良識を備えた人であれば、この種の提案はできないはずだ。科学技術に対する制裁は、命に危害を及ぼすことはない。この提案は宣戦布告よりもさらにたちの悪い非人道的行為だ。清華大学はこのような悪人を直ちに解雇すべきだ」
中国は世界最大の医薬品原料輸出国です。
転載NTDTVJP