【脱党支援センター 2020年7月7日】
中国政府が海外で運営する外国語教育センター「孔子学院」の名称を、「教育部中国語・外国語交流センター」に改称するとの文書が、オンラインで出回っている。 北米や欧州では、孔子学院は対外プロパガンダやスパイ養成機関と指摘されており、改称はマイナスイメージを払しょくする狙いがある。
7月3日、天津市にある中国語研修機関・瑞里天城は、6月18日に中国教育部(文部科学省に相当)が発行したという文書を引用し、孔子学院は「中国語と外国語の交流協力をさらに充実させるため、『中国外国言語交流協力センター(中外語言交流合作中心)』に改称した」という。決定は各省・市に通知するとある。
また、世界中の孔子学院を統括する教育部管轄組織「国家漢語国際推広領導小組弁公室(略称・国家漢弁)」を廃止するという。
孔子学院と漢弁の公式サイトでは、名称変更の公式発表はない。しかし、中国SNS微信の政府系アカウント「対外中国公開講座」は、6月24日、孔子学院は名称変更手続き中で、中外語言交流合作中心としてデビューすると投稿した。
孔子学院は、2004年に設立された。2020年6月までに世界154の国と地域に支部を持ち、5448の孔子学院(大学やカレッジ向け)と1193の孔子課堂(初中高等教育向け)を数える。
表向きには、「中国語を世界に広め、中国文化の理解を深める」としているが、狙いは、資金提供を通じて他国の学問の自由や言論の自由を利用して、キャンパスに中国共産党による社会主義、共産主義イデオロギーを浸透させることにある。
結果的に、自由や民主主義、信仰の価値を侵害しているとして、孔子学院は欧米を中心に問題視され、閉鎖が相次いでいる。ベルギー現地紙によると、同国の孔子学院院長はスパイ疑惑がもたれ、欧州26カ国の8年間入国禁止措置が取られた。
転載大紀元(翻訳編集・佐渡道世)