人権NGO「中国での臓器移植濫用停止国際ネットワーク(ETAC)」は21日、中国の臓器強制摘出に関する7分半あまりの短いアニメーションを公表した。ETACは、中国では収容者が需要に応じて臓器を摘出され殺害される「オンデマンド移植」が行われていると指摘し、国際社会は人権保護のために、中国移植関連組織との繋がりを断ち切るべきだと呼びかけている。
映像は中国の特殊な臓器移植の流れについて紹介している。日本や米国を含む多くの国々は通常、ドナーを検査し、血液型等から移植希望者の待機リストから適合者を探す。そのため待機時間は数年に及ぶこともある。一方、中国は「逆マッチングシステム」であり、移植希望者に合致する囚人を殺害し、臓器を摘出する。中国当局は殺害のタイミングに合わせて、腎臓、肝臓、心臓など複数の臓器の移植をまとめて行うこともあり、その場合複数人の移植希望者が手術日程を予約する。
このようなシステムがあるため、中国で移植を待つ待機リストに載っている人々は、手術費を先払いしている。「倫理に基づく臓器供給の仕組みではありえない、オンデマンド(需要に応じた)移植手術だ」とETACのビデオは説明している。
中国で行われている非人道的な臓器移植問題が初めて海外組織に詳述されたのは、1994年8月、人権組織ヒューマンライツ・ウォッチ(HRW)の報告『中国における臓器の調達と死刑執行』である。中国共産党は死刑囚の臓器を移植や医療実験で利用するとの目的から、銃殺刑は、即死にならない形で行われたと指摘している。また、中国では法治の欠如により、暴力犯罪を犯していない政治犯にも死刑判決が下されていると指摘している。
1999年、中国で気功修煉法・法輪功の学習者に対する迫害が始まると、臓器移植の件数は以前の数倍に膨れ上がり、全国で移植病院が700あまり乱立した。近年では、新疆ウイグル自治区で拘束された多数のウイグル人が臓器移植の強制的なドナーになっていると、複数の人権団体や専門家が指摘している。
法輪功学習者に対する弾圧と殺害、そして強制的な臓器移植の背後には、江沢民氏の直接的な指示があるという。ETACは動画のなかで、この問題を長らく中国全土で調査を行うNPO「追査法輪功迫害国際組織(WOIPFG)」による音声データを紹介している。中国人民解放軍総後勤部の元衛生部長である白書忠氏は2014年9月、調査員との電話のなかで、江沢民・元中国共産党総書記が法輪功学習者から移植用臓器を摘出するよう指示したと明らかにした。
(佐渡道世)
転載 大紀元 https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/70349.html
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