<大紀元独占インタビュー>鈴木正人埼玉県議「中国の人権侵害、五輪憲章に反する」【ニュース】

大紀元の取材に応じる鈴木正人議員(大紀元/王文亮)
大紀元の取材に応じる鈴木正人議員(大紀元/王文亮)

日本の超党派議員は日本版マグニツキー法制定を目指す動きがあり、国際的な人権問題が議会で取り上げられ始めた。この問題に関心を寄せる鈴木正人・埼玉県議会議員は3月4日、議会定例会で、ウイグル族に対する中国共産党の人権侵害について一般質問を行った。鈴木議員は、在日ウイグル人が今なお中国共産党当局から監視されスパイ行為を強要されていることを指摘、県としての取り組み姿勢を問うた。

日本の国会では最近、人権問題に関する議論が活発化しているが、地方議会でこの問題が取り上げられることはまれ。なぜ、この鈴木議員は人権問題に尽力するのか。大紀元はインタビューを行い、その信念を伺った。

―人権問題について取り上げることとなったきっかけは。

北朝鮮による拉致問題を解決するために地方議員連盟に参加したことがきっかけとなった。当時街頭活動も行っていて、ウイグルの方たちと触れ合う機会もあった。2012年に自民党本部で「日本ウイグル地方議員連盟」が設立され、副代表を務めた。人権問題に取り組むのは個人の信念によるものだ。

―埼玉県の知事も人権問題に取り組んでいる。

人権への取り組みは、上田前知事の時から始まった。上田前知事は拉致議連の立ち上げメンバーであり、副会長を務めていた。現在の大野埼玉県知事は中東問題の専門家で、ともに街頭活動をしていたときに在日ウイグル人のハリマト・ローズさんと会った際、ウイグル語であいさつした。驚いたローズさんは知事にウイグルの現状を説明し、知事も興味を示した。清水ともみさんの本が出版されると、日本ウイグル協会からは消毒液と本を県に寄贈していただいた。

―人権問題に対する取組みを広めることは可能か。

北朝鮮の拉致問題については、北朝鮮による拉致被害者を救出する知事の会というものがある。これも上田埼玉県知事が中心となって始めたものだ。だから同じように広めることは可能だと思う。そして同じ人権問題といっても、ウイグルにとどまらない。法輪功に対する非人道的な弾圧もあるし、内モンゴルやチベットに対する弾圧、強制収容も問題になっている。これは直ちにやめさせなければならない。

―人権問題を取り上げることに伴う困難や妨害は。

私は完全に個人の信念でこの活動に取り組んでおり、票を集めるためではない。しかし時には他の候補者からネガティブキャンペーンをされることもある。「あいつは関係ないことに取り組んでいる、けしからん」といった具合だ。左翼メディアから攻撃を受けることもあった。数千円の政治資金の記載ミスを全国紙の地方面に大きく取り上げられた。また、資金の使途についてオンブズマンから訴えられることもあった。もちろん裁判では勝訴した。

―法輪功やチベットの人権問題についても支援することを考えているか。

確かな情報があれば支援するつもりだ。こうした問題を放置するということは人類として許されないことだ。世界的に見れば、人権侵害行為があれば議会が非難決議を出すのが一般的になっている。しかし日本は平和ボケしているとしか言いようがない。もちろん戦後日本の教育も一因となっている。仲良くすることが外交であると思い込んでいるがそうではない。結果として仲良くするのは良いが、時には厳しいことを言わなければならない。話し合いをするにも、おかしいと思ったらおかしいと言わないとだめだ。

中国共産党は国内の人権弾圧を国外に輸出しようとしている。

自衛隊の人から聞いた話だが、中国は旧日本軍が敗戦した教訓を研究しており、同じ轍を踏まないよう作戦を立てているという。中国軍は第一列島線を越えて第二列島線、しまいにはハワイを目指している。もし本当にそのような事態が起これば、尖閣、沖縄が取られ、しまいには日本全土が「日本自治州」となってしまうかもしれない。現在の日本は江戸時代末期と同じ状態であり、今まさに富国強兵を行う時期に入っていると思う。今の緊縮財政では国を滅ぼしかねない。このような危機感を持っている。

―国家があってこそ文化と社会が発展できる。

中国共産党はいま、内モンゴルでモンゴル語を禁止しようとしている。日本国でも同じようなことが起きかねないという危機感を持つべきだ。地震を防ぐときと同じで、常に最悪のことを考えなければならない。目の前に差し迫った危機として、中国共産党の国内における人権侵害を警告としてとらえなければならない。毅然とした態度で批判し、自分の国は自分で守るという気概が必要だ。

―日本のマスコミは危機的状況を報道していない。

マスコミは完全に工作でやられていると思う。毎日森友学園をやりたいところはやってもらっていいけど、12チャンネル制度はやめて自由に参入できるようにするべき。もうマスコミを変えるには電波オークションしかない。地上波で大紀元の番組が見られてもいいと思う。意味のない放送法はやめるべきだ。放送法があっても反日放送するところを規制できない。自由化して、自分の色で放送してもらって、あとは視聴者が判断すればいいと思う。

―埼玉県議会では過去にも臓器移植に関する問題が取り上げられている。

あくまで噂だが、自民党の大物政治家の奥さんが中国で臓器移植を受けて恩を売られたという話は聞いたことがある。法輪功の人たちや少数民族の人たちが犠牲になっている可能性が非常に高い。罪のない人々が生きたまま臓器を摘出され、高値で外国の要人に売られる。これは許されないことだ。

―しかしマスコミはこのことを取り上げようとしない。

マスコミが反権力だなんて笑いものだ。本当に怖い中国共産党にとって都合が悪いことは一切書かない。森元委員長をたたいても反撃されないが、中国共産党をたたけば反撃される。本当にジャーナリズムを名乗るのであれば、中国を取材してみてほしい。その執念でなぜ中国の人権問題を取材しないのか。中国の人権侵害こそオリンピック憲章の理念に反するものだ。

―人権問題をどのように解決すべきか。

現在、国会では日本版マグニツキー法の制定が議員連盟によって推進されている。これは歓迎すべき流れだ。日本版マグニツキー法の制定を求める意見書も出そうと思っている。議員立法で制定を目指すべきだと思う。

―貴重なお時間をいただきありがとうございました。

ありがとうございました。

※取材は3月1日に行われました。

(聞き手・王文亮)

轉載 大紀元 https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/69166.html


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