米国の制裁を追跡するデータベース「キャステラム.AI」によると、欧米が主導したロシアへの制裁の数は、4月22日時点で、7000件を超え、イランが過去10年間で受けた3616件を抜いて過去最多となっています。しかし、ロシアの経済規模はイランの2.4倍もあり、今回の制裁の効果とその後の影響は、各国にとって大きな関心事となっています。中国共産党も同様にそれをじっくりと注視しています。
アメリカのバイデン大統領は5月23日に日本を訪問した際、日米首脳の共同記者会見で、台湾防衛への軍事関与を明言しました。要するに、中国共産党が、もし、台湾へ武力侵攻した場合、アメリカ側は介入するかどうかが問題ではなく、どのように介入するのかが問われています。
今中国共産党が一番気にしている事が二つあります。それは第一に、制裁の規模はロシアより大きいのか小さいのか?二番目に、制裁の影響を最小限にするため、如何に対処すべきか? つまり、中国共産党は、制裁に対する自らの抵抗力をいかに強化するかを考えています。
一方、アメリカにとって重要なことは二つあります。第一に現在の対ロシア制裁の枠組みを中国共産党にそのまま適用するかどうか? 二番目に中国共産党の反制裁措置をいかに抑制して制裁効果を高めるのか、ということです。
このように、制裁と反制裁をめぐる米中の策略は、国際情勢の再構築に多大な影響を及ぼしています。
今日お話しする内容は二つです。台湾有事の際には、ロシアに対して行なった制裁措置が中国に対して有効なのかどうか、そして、中国に有効な制裁措置とは何か?これらについて、現時点で解説いたします。
中国の強みと弱みについて、今日はロシアと比較することで考えたいと思います。
(1)中国の強みと弱み
1.「制裁対抗能力」
2.「制裁にかかるコスト」
3.「米同盟国の協力」
(2)効き目のある4つの対中制裁方法
1.海外個人資産の凍結
2.エネルギー・原料の供給源を断つ
3.高度技術製品の提供ストップ
4.対ロ制裁の中核3措置を中国に適用
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