新型コロナウイルスの影響が続く昨今
全国の書道を愛好する皆様に、ウェブ上で作品発表の機会を提供することが、本展「清風雅韻」の主旨でございます。
「以書会友」と申しますように、この機会を通じて、皆様がお互いの作品を鑑賞し、学び合う場となることを切に願っております。
文字は書き手の性格を表す。一人ひとり風格が異なり、書からは書家に関する様々なものが見て取れる。
事実、歴史上に名を遺した書家はみな、性格通りの書を残している。
晋王朝時代の書家・王羲之は、過去の書体にとらわれず、優雅でしなやかな書体で知られている。山水を愉しみ、詩、酒、音楽にふける清談の風を好む王羲之は、その自由奔放な性格をそのまま書に体現させている。
かの有名な「蘭亭序」も、酒に酔った状態で書かれたという。酔いがさめてから何度清書しても満足のいく作品ができなかったというエピソードも伝わっている。
いっぽう、唐王朝に生きた顔真卿の楷書は、王羲之の優雅な書体と異なり、力強く、飾り気のないものとなっている。また、「蔵鋒」の技法を確立したことでも有名だ。顔真卿は安史の乱に際し、親族を失いながらも抵抗軍を組織して朝廷を守る功績を残している。生真面目で忠誠心あふれるその性格が、書に余すところなく表れていると言えるだろう。
中国の「言、心声也。書、心画也。(言葉はこころの声である。書はこころを表す絵である)」という言い回しは、まさに書と性格の関係を端的に言い表している。それゆえ、書に励むことは、人格を磨き上げることに通じている。
現代社会では、人間関係が複雑になり、多くの人が周りから抜きん出ようとする強い競争心を持っている。伝統文化も例外ではなく、競争の概念に侵食されている。互いに批評し、互いに高め合う展覧会が、順位を競い合う名利の場となってしまった。
それゆえ、大紀元が主催する「清風雅韻」ウェブ書道展では、書家同士の書を通じた交流に重点が置かれている。日本全国の作品が一堂に会するウェブ書道展は、書家がお互いの作品から良い部分を吸収し、学び合う場でもある。
第一回「清風雅韻」ウェブ書道展にご応募いただいた方々には、この場を借りて厚く御礼申し上げたい。この機会を逃した方々についても、今後のご参加を心よりお待ちしている。
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