徳を使い果たした官吏【伝統文化】

Traditional Culture
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古代中国では、徳は前世に積むものだと言われていました。徳が多ければ今世は財産や地位に恵まれ、少なければ貧困と災難に苦しみます。徳の多少に狂いはなく、使いすぎれば、あの世が取り立てにやってきます。悪い官吏を見かねたあの世の霊たちが、彼の徳を取り上げてしまうお話です。


昔、現在の河北省のあたりに、王(ワン)という官吏がいました。王は法律を悪用してお金を騙し取り、巧みに証拠を消して、着々と私腹を肥やしていました。

ある日、道観で修行中の童子の耳に、あの世の霊たちの会話が聞こえてきました。

「あいつは今年、悪行を重ねてずいぶん稼いだな」と一人がいいました。「どうやってあいつの徳を取り上げようか?」

もう一人の声が聞こえました。「翠雲(スイウン)がいれば、十分に事足りるだろう。簡単なことだ」

普段から彼らの姿を見たり、声を聞いたりしていた童子は、まったく恐れることがありませんでした。しかし、童子には翠雲とは誰なのか、また徳を取り上げられるのは誰なのかが、さっぱり分かりませんでした。

しばらくして、この地方に翠雲とう名の売春婦がやってきました。王は彼女にのめり込み、放蕩したあげく、莫大なお金を費やしました。しばらくすると、王は原因不明の皮膚病にかかり、治療薬を買うためにお金を使い続けました。

彼が亡くなった時、棺を買うお金さえ残っていなかったということです。

(翻訳編集・郭丹丹)

転載 大紀元 https://www.epochtimes.jp/p/2017/09/28272.html

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