国際的な報道機関や人権団体の報告では、中国はウイグル人イスラム教徒を対象とした宗教弾圧と同様の政策を国内の他の宗教団体にまで拡大している。
米国を拠点とする非政府組織「迫害されたキリスト教徒を救う会(Save the Persecuted Christians)」のデデ・ラウゲセン(Dede Laugese)事務局長はFORUMに対して、「中国は信仰に宣戦布告した」とし、「中国政府は非公認教会(家の教会や家庭教会、地下教会)の建物を破壊し、牧師や神父を投獄するだけでなく、信徒を威嚇している」と述べている。
ラウゲセン事務局長はチベット仏教徒や法輪功修行者に対する中国政府の弾圧を例として指摘している。中国のカトリック教会に関する新規制により、中国内の教会がカトリック司祭を任命することが禁止された。これはカトリック司祭の任命について中国政府とローマ・カトリック教会が以前に署名した暫定協議書に明らかに違反する。
2021年1月、米国国務省は新疆ウイグル自治区のウイグル人に対する中国政府の政策を大量虐殺(ジェノサイド)と認定した。数百万人に上るウイグル人が拘留され、信仰について厳格な矯正が実施されている。
「ウイグル人のためのキャンペーン(CFU)」のルシャン・アッバス(Rushan Abbas)事務局長は、「中国政府はコーランを書き換えているだけでなく、聖書をも書き換え、中国共産党の無神論思想と整合させようとしている」とし、「中国はイスラム教だけでなく、すべての信仰に対して宣戦布告しており、中国全土のカトリック教徒、プロテスタント教徒、仏教徒団体の権利と自由に制限を課している」と説明している。
米国政府は対中政策において、信教の自由を重要な側面として捉えている。2021年1月に米国平和研究所(USIP)が主催したイベントで、米国のジェイク・サリバン国家安全保障問題担当大統領補佐官は、米国は「新疆ウイグル自治区と香港を対象とした中国の政策と行動、および台湾に対する好戦性と威嚇に対処し、制裁などを課す準備を整える必要がある」と述べている。
2021年2月に米国通商代表部(USTR)が議会に提出した報告書には、信教の自由を侵害する中国政府の取り締まり拡大に対する政府の懸念が表明されている。 同報告書には、ジョー・バイデン米政権は「新疆ウイグル自治区と国内他地域におけるウイグル人、他の少数民族、宗教的少数派を対象とした中国政府の強制労働政策による広範な人権侵害対策を最優先事項とする」と記されている。
中国政府によるこうした弾圧は、新疆ウイグル自治区における中国共産党の目標を推進するためのものである。中国の元政治犯であるウイグル人のタヒル・イミン(Tahir Imin)活動家はFORUMに対して、中国が同地域を移動と言論の自由が制限された警察国家に変えようとしていると指摘し、「この過程を通して、中国は偵察、監視、制御のAI(人工知能)技術を開発・試験し、こうした技術を(中国の)他地域にも配置している。そのうち中国はこれ利用して世界各地における多くの人々からデータを収集するようになると考えられる」と話している。
(Indo-Pacific Defense Forum)
転載 大紀元 https://www.epochtimes.jp/p/2021/03/70643.html
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