検索エンジン大手のグーグルが、ネット利用者の閲覧履歴を追跡する技術の使用を来年から停止すると発表しました。グーグルのこの決定は、閲覧情報を頼りに広告配信している広告業界に大きな影響を与えるとみられています。
グーグルの親会社であるAlphabet(アルファベット)社は3月3日、2022年より個人の閲覧履歴を収集するcookie(クッキー)の使用を停止すると表明しました。現在、広告主は、これらの閲覧記録に頼ってターゲットを決め、広告の配信を行っていますが、グーグルのポリシー変更に伴い、広告主はこれらの情報にアクセスできなくなります。
グーグルのこの決定は、近年インターネット上の個人のプライバシー保護の必要性に対して、意識が高まり続ける各国政府や消費者からの圧力であるとみられています。
時事評論家 田園博士
「この決定を、グーグルの善意と理解してはいけない。政府の法規制で要求されている可能性が高いからだ。特に欧州連合(EU)が非常に厳しい個人情報の保護制度を導入して以降、グーグルのような大手テクノロジー企業はこの面で厳しい制限を受けている」
しかし、今回の新方針は、利用者情報の収集やターゲティング広告をやめることを意味するものではありません。実際、グーグルは、「cookie」に代わる技術として「プライバシーサンドボックス(privacy sandbox)」の開発を進めています。個人をターゲットにしたものではなく、同じような関心を持つグループをターゲットにして広告を配信することになります。
時事評論員 田園博士
「では今後、ビッグテックに個人情報が収集され知られることがなくなり、個人のプライバシーが守られるのだろうか?このような錯覚はあってはならない。個人情報を収集する方法は他にもたくさんある。SNS上のあなたの一挙一動は監視されており、あなたのプライバシーはすべてテック企業の目にさらされている」
グーグルの新方針は、デジタル広告業界に大変動をもたらす可能性があり、グーグルは類似機能を開発することによって、デジタル広告業界での「独占的地位」を強化していくとの見方もあります。
時事評論員 傑森博士
「グーグルがこのようにすると、これまでcookie(クッキー)を活用してきた他の小規模企業は、長く維持できなくなるだろう。グーグルを大きなサメに例えると、これまでは、サメが食べた餌のおこぼれを、周りの小魚が拾うことができたが、グーグルが餌の食べ方を変えれば、食べこぼしは全くなくなり、小魚も食べるものが無くなってしまうのだ」
インターネットでの一般的な利用については、グーグルの新方針による影響はあまりないと専門家はみています。
転載 NTDTVJP
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