僧侶と盗賊

伝統文化
伝統文化

昔、寺で修行に励む一人の僧侶が寝ている時、神からのお告げがあった。神は、「お前の天寿は明日で終わる。朱二(しゅ じ)という盗賊が白馬に乗ってお前の命を取りに来る。お前は、前世で彼に借りを作ったからだ」という。僧侶は、「私はこれまでに沢山の善行を積んできました。どうかお慈悲を、お助けください」と神に懇願した。「それはできない。救えるのはお前自身だ」と神は言い残した。

 翌朝、盗賊が現れた。盗賊は僧侶を脅かして財宝と女性たちの所在を問い詰めた。僧侶は目の前にいる白馬を見ながら、神のお告げのことを思い出した。「私は業を積み重ね、既に死ぬべき時が来たのだ。財宝と女性たちの在りかを知らせれば、新たな業を作ってしまうのではないか」。僧侶は、盗賊に言った。「あなたに教えるわけにはいかない。あなたは朱二でしょう。どうぞ私の命を取りなさい。私一人で十分だろう」ときっぱりと言った。

 盗賊は驚いて僧侶に聞いた。「なぜ俺の名前を知っているのだ?」僧侶は自分が見た夢のことを盗賊に打ち明けた。

 話を聴き終わった盗賊は暫く考え込んだ後、おもむろに持っていた武器を投げ捨てた。「怨に怨で報いれば、永久に終わることがない。俺に財宝と女性たちの在りかを教えないということは、既にあんたは自分を救ったんだ。俺たち二人の因縁は、これで終わりにしようや」と朱二は言った。朱二は仏像を拝み、寺を後にした。

 僧侶の一念は、盗賊が財宝を略奪したり、女性を凌辱したりすることを阻止した。これは盗賊を救ったことに等しく、自分も死から免れることができた。また、善の心を持っていた盗賊は僧侶の言葉に目覚め、悪の道から更生する決意をした。この全ては、神仏の慈悲に満ちた按配がもたらしたものだった。

転載大紀元 エポックタイムズ・ジャパン


インド (138) ウクライナ (223) コロナウィルス (156) スパイ活動 (165) トランプ (303) バイデン (343) バイデン政権 (161) ポンペオ (173) ロシア (327) ワクチン (318) 上海 (207) 中共 (2788) 中共ウイルス (570) 中共当局 (326) 中共軍 (176) 中国 (1965) 中国企業 (148) 中国共産党 (1225) 中国崩壊 (145) 中国当局 (146) 中国経済 (268) 中国製 (145) 人権侵害 (327) 伝統文化 (234) 北京 (235) 北京五輪 (180) 南シナ海 (149) 台湾 (818) 台湾海峡 (146) 封鎖 (154) 抗議デモ (147) 新型コロナウイルス (193) 新疆ウイグル人 (207) 日本 (504) 法輪功 (324) 法輪功学習者 (182) 洪水 (200) 災害 (193) 疫病 (172) 米国 (914) 習近平 (905) 臓器狩り (237) 軍事 (216) 迫害 (210) 香港 (479)

関連記事

コメントを追加