中国は最近 多くのオーストラリア製品に対して貿易制裁を叩きつけました。これには オーストラリア産のロブスターや大麦 石炭 ワイン 牛肉などがあり、一部の関税は200%にもなります。
中国の全国人民代表大会常務委員会弁公庁研究室の元研究員で評論家の程曉農氏は、「オーストラリアは南シナ海と米国の間にある。戦略的な航路を掌握しており、中国は米国と対立がある時に航路を使用したいと思うだろう」と語っています。
オーストラリアがそれらの航路の防衛策を強化すると中国はもはや軍事的対立で 米国を脅すことはできなくなります。中国は現在 米国と直接戦争を行う能力を持っていないため、米国への脅威は中国の原子力潜水艦に搭載されている長距離大陸間ミサイルだけです。しかし潜水艦の基地は南シナ海にあり、潜水艦を太平洋海域に密かに移動するため、深水通路を必要としています。
潜水艦が太平洋海域に入るための深水通路は3つあります。1つ目の北側の通路は、台湾とフィリピンの間にある「バシー海峡」。2つ目の東の通路は、フィリピンとインドネシアの間にある「セレベス海」。3つ目の南の通路は、パプアニューギニアとオーストラリアの間の「珊瑚海」。1つ目の通路は現在、米国に重点的に監視されています。
「それで 中国は別の通路を見つけようとしている。しかし、東の通路も南の通路もオーストラリアが関係してくる。その2つの航路はパプアニューギニアの北側と南側にあり、いずれにせよ 中国はオーストラリアの防衛ゾーンにぶち当たるだろう」
オーストラリアの防御ゾーンは中国の計画を妨げています。オーストラリアが防衛セクターをアップグレードしている最中だからです。6月 オーストラリアのスコット・モリソン首相は国防費に約2700億ドルを注ぎ込み、これは中国の台頭に対抗するための措置だと明言。
「オーストラリアの新しい防衛戦略には水中監視装置の強化が含まれている。その意味は 中共の原子力潜水艦を監視する方法を確立したいということ。これには中共が非常に苛ついている。オーストラリアの計画が実行されて行くと、米国に軍事的圧力をかけるという中共の企ては破綻してしまうから」
程氏は「オーストラリアに対する攻撃姿勢は中国政権の計画に干渉しないよう圧力をかけるための取り込みである」と指摘。
別の理由として、中国に対する最近の強硬姿勢への報復という可能性もあります。12月中旬、オーストラリア議会は自国での一帯一路計画を中止する法案を可決しました。これは物議を醸しているあるインフラ事業のことを指しており、その事業は 国を債務の罠にかけ、中国の海外での影響力を拡大させるものと批判されています。
今年初め オーストラリアは、中共ウイルスの感染源に関する調査も呼びかけました。そして 中国の通信機器大手の華為(HUAWEI)に対してオーストラリアの5Gネットワークの参入を禁止しました。オーストラリアが強硬な姿勢を取り始めたのは2018年。その年、中共の浸透に対する防止法案を可決したのです。
程氏は「オーストラリアが中共に制圧されれば、東南アジアのもっと多くの国も中共に屈するだろう」と指摘。
しかしオーストラリアは国家安全保障を守る準備ができているようです。米国もオーストラリアを支援する意向を表明しています。
転載NTDTVJP
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