【脱党支援センター2020年9月20日】
米中関係が急速に悪化する中、米政府は、中国人留学生向けのビザ発給をさらに厳格化した。米政府の最新統計によると、今年7月、米の学生ビザ(F-1ビザ)を獲得した中国人は145人にとどまり、昨年同月の2万超を大きく下回った。
米ラジオ・フリー・アジア(RFA)9月14日付は、米国務省領事局のデータを引用し、7月に在中国米大使館、在上海米総領事館、在広州米総領事館が承認した学生ビザはわずか4件と報じた。この4件を除いた141件は、学生ビザの更新である可能性が高いとみられている。その一方で、同月、香港と台湾にある米国の在外公館は約1000件の学生ビザを発給した。
留学事情に詳しいカナダの非営利団体、「国境なき教育」(Education Without Borders)の創設者の1人である燕曉哲氏はRFAに対して、「中国にある米大使館と総領事館のビザ業務は、すでに約10カ月前から停止している。現在、一部の中国人学生は、香港や台湾などの第三国・地域を通して、米国の学生ビザの取得を試みている」と語った。
今年に入ってから、中国当局の情報隠ぺいで中共ウイルス(新型コロナウイルス)が大流行となった。各国の中でも米国の累計感染者数と死亡者数が最も多く、同国の経済は深刻な打撃を受けた。そのうえ、中国当局が長年にわたり米企業の技術を窃盗し、今年、香港で「国家安全維持法」を強制的に導入し、さらには南シナ海、台湾海峡および東シナ海で軍事活動を拡大した。このため、米中関係は急激に悪化している。
トランプ政権は5月末、中国軍とつながりのある中国人留学生や研究者の入国を規制する措置をとった。ロイター通信の報道では、米国務省は9日、中国人に発給した1000件以上のビザを取り消したと明らかにした。同日、米国土安全保障省のチャド・ウルフ(Chad Wolf)長官代行は、「われわれは、中国の軍民融合戦略に関係する中国人大学院生や研究者のビザ取得を防ごうとしている。彼らによる機密性の高い(米国の)研究成果の盗用を避けるためだ」と述べた。
米政府はこのほど、ビザを不正に取得した中国軍の女性士官を逮捕・起訴し、技術窃盗の容疑で複数の中国人留学生や研究者を拘束した。さらに米政府は最近、一部の中国人留学生や研究者が米の重要技術を中国に持ち出すのを防ぐため、空港での出国審査を強化している。英メディアによると、一部の中国人学生は、米国を出国する際、審査官から質問を受けるだけでなく、所持のパソコンや携帯電話、ゲーム機が一時的に押収され、その中のデータや通信内容などが調べられたと訴えた。
転載大紀元 エポックタイムズ・ジャパン