安徽省で堤防を爆破して水を開放 依然として続く三峡ダムの放水【動画】

【脱党支援センター2020年7月23日】 

中国南部の洪水災害は淮河流域にまで拡大しています。7月19日、滁河の安徽省水域では堤防を爆破し、水を排出しました。20日には安徽省淮河の王家壩水門で放水が行われました。長江2020年第2号洪水が三峡ダムを無事通過したと言うものの、三峡ダムの放水量は増加しています。

豪雨の影響を受け7月20日早朝、安徽省淮河本流の王家壩(おうけは)区間で29.32メートルの保証水位を上回りました。13年ぶりに王家壩水門から放水が行われ、その水が安徽省の蒙窪(もうわ)洪水用貯水区域に入り、数万ムーの農地が水没しました。蒙窪洪水貯水区域には四つの郷や鎮があり、約20万人が暮らしています。19日から20日早朝にかけて、2000人余りの住民が緊急避難しました。

また中新網は、19日午前3時ごろ、2回の大きな爆発音とともに、安徽省滁州(じょしゅ)市全椒県(ぜんしょう-けん)滁河(じょが)の堤防2か所で爆破が行われ水が排出されたと報じています。

安徽滁州市全椒県の住民、王さん

「私の家の近くに滁河は通っている。滁河は長江に接している。長江の水位はすでに(警戒水位を)超えていたので堤防を爆破して穴をあけたのだ。それで冠水した地域もあるが、堤防を爆破しなければ県人民政府の所在都市が水浸しになる」

川の水が流れ込んだ堤防内の洪水用貯水区域で、多くの家屋が水に浸かりました。ある養豚場は移動が間に合わず、豚が泳いで逃げ出しました。安徽省では18日から東大圩(とうだいう)洪水用貯水区域が使用されていますが、その後新たに2か所の洪水用貯水区域も使われるようになっています。

安徽省全椒県古河鎮の匿名希望者

「家も水没した。水没して屋根の一番上まであと少しのところだった。損失が出たのは間違いない。家の中の家財道具や、商売人の資材や商品などだ」

安徽省全椒県の匿名希望者

「家の中ぜんぶが水浸しになった。我々の家は県人民政府の所在地にある。下流の郷鎮はすべて浸水した。ひどいことになっている」

19日正午、安徽省の巣湖(そうこ)忠廟観測所の水位が過去最高を更新し、12.82メートルに達したほか、巣湖塘(そうことう)西観測所の水位も過去最高を更新し、12.77メートルを記録しました。また、巣湖の支流の杭埠河(こうふが)、豊楽河(ほうらくが)、派河(はが)の水位も過去最高を更新しており、巣河湖付近のすべてで保証水位を上回っています。

現地で撮影された動画によると、巣湖のほとりに立っている千年古廟「中廟」、巣湖農産物産直市場も水に沈みました。巣湖の中廟景観区の商店店主は、水はすでに景観区の商店街まで流れ込んでおり、前日には避難を終えていたと話しています。

巣湖の廟景観区の商店店主、王さん
「昨日と一昨日は雨がひどく、長江の水が巣湖に流れ込み、水がいっぱいになったら水位が上がる。ふ頭の脇の階段から下に降りることはできない。水は昨日、ひざの高さを超えて、一階がすべて浸水した。停電と断水が起こり、急いでものを運び出した。小舟で運び出した。水位が下がったら店を改修しなければ」

この時に、長江の1回目と2回目の洪水ピークが連続して到来し、三峡ダムの水位がすでに警戒水位を15メートル上回りました。19日午後8時、三峡ダムへの水の流入量は毎秒4万6000立方メートルで、2回目の洪水ピークのピーク値よりも毎秒1万5000立方メートルを下回り、洪水ピークが三峡ダムを通過したと報じられました。しかし三峡ダムからの放水量はピーク時の毎秒3万3000立方メートルから毎秒4万立方メートルに増加しています。これは当局が、数日のうちに次の洪水ピークが来ると見越して三峡ダムの貯水量に余裕を持たせるよう命じたためです。

「楽水行」発起人で民間水利専門家の張峻峰さん

「放水を増やす必要があるのは間違いない。現在の状況から見て、彼らは三峡ダムを守ることに重点を置いており、下流の状況を考慮してはいないい。三峡ダムの下流地域の多くの都市が浸水する可能性がある。疫病で生じた損失を誰が補填するのかという問題と同じだが、この損失は誰が補うのか?」

庶民も三峡ダムからの連続放水によって長江中下流域での洪水が悪化していることに疑問を抱いています。水利部長江水利委員会の陳桂亞(ちんけいあ)副総エンジニアは18日、三峡ダムが「いっさいを取り仕切る」ことはできないと回答しています。

「楽水行」発起人で民間水利専門家の張峻峰さん

「重要な点は、我々の水利専門家にこの知識が欠けているということだ。彼らは我々のダムが耐えきれると考えているが、実際には現実の中で次から次へと予想外のことが起きている。これはつまり、専門家の自然に対する理解や予測を超えているということだ。我々はますます我々の周辺の自然環境がどんな状態になっているのかを認識できなくなっている。これはまだ始まったばかりだと教えてくれている。将来発生する問題はますます多くなるだろう」

三峡ダムからの放水の影響を受けて、すでに半月もの間高水位が続いていた洞庭湖の水位が上昇を続けています。今後数日の間に南方で雨が弱まって雨雲が北に移動して淮河流域に大雨が発生した場合、湖北省、湖南省、江西省、安徽省、江蘇省などは引き続き浸水のリスクを負うことになります。

転載新唐人

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