【脱党支援センター 2020年7月1日】
中国南部で頻発する洪水により、1000万人以上が影響を受けています。被害は拡大を続け、スポンジ都市のモデル都市のひとつである安徽省合肥市は、今回の洪水で「海洋都市」に変貌してしまいました。
中共中央気象台が豪雨黄色警報を継続的に発し、中共水利部は6月27日に四川省、重慶、広西省などの13の河川に警戒水域を上回る洪水が発生し、30日には南部の複数の省と区で豪雨が発生すると予測していました。
中国南部が5回もの豪雨に見舞われてから、習近平国家主席はようやく洪水被害が「深刻である」と認め、28日に洪水対策を行って「人民至上、生命至上」を堅持するよう指示しました。
中国の独立研究者、戈壁東さん
「長江流域のすべての民衆は、中共という邪悪な政権が過去に犯した罪業と今行っている罪業とによって生じた結果に耐えている。大洪水が発生してひと月余り、習近平はようやく『人民の利益が大切だ』と口にした。そんなものはたわごとだと誰もが知っている。彼らが人民の利益のことを考えたことなど一度もない」
6月28日午後4時ごろ、中共水利委員会は中国長江三峡集団公司に対し、4時間後に三峡ダムから毎秒31,000立米メートルの放水を行うよう命じました。あるネットユーザーは、「乾季に貯水し、雨季に放水する。なんてことだ」と投稿しています。
中国の独立研究者、戈壁東さん
「この大型ダムが竣工後、人々の役に立ったことはなく、庶民には何の意味もなかったし、逆に我々の心配の種だった。最近は三峡ダムが変形していると言われるようになった。深刻な状況だ。もし民主政府ならば民衆の利益を考慮してそれに対し積極的な措置を講じるだろうが、中共政権が講じた措置は明確だ」
中国の独立研究者、戈壁東(か・へきとう)さんは、中共当局はダムを守るために民衆の利益を無視し、継続的な放水という手段に出たと考えています。
中国の独立研究者、戈壁東さん
「今回の長江の洪水災害を我々は三つの説明で総括できる。一つ目は、これは中共政によるが人為的な災害だということ。二つ目は、三峡ダムは独裁政権による最も典型的な邪悪なプロジェクトだということ。三つめは、長江の洪水災害は、民衆が独裁政権下で塗炭の苦しみの中にいることを、最もよく表しているということだ」
数日前には湖北省の宜昌(ぎしょう)市と恩施(おんし)トゥチャ族ミャオ族自治州建始県(けんしけん)花坪鎮(かへいちん)が冠水したほか、安徽省合肥市でも洪水が発生しました。
安徽省合肥市の郭さん
「主な原因は排水が滞ったことだ。中国の多くの都市がそうだ。排水が滞ってから一部の地域は冠水した。政務区や合工大(合肥工業大学)新区のような被害の深刻な地域では、車の高さの半分まで冠水した」
27日、安徽省合肥市では洪水によって合肥市168中学校と居住区が浸水しました。水位はみるまに一階に置かれたソファーの高さを超えました。
安徽省合肥市の郭さん
「合肥市はこのところ雨の日が続き、時には集中豪雨になった。集中豪雨の時は洪水が起きやすくなる。何年もこのようなので、私たちも慣れてしまった。この社会はこんなものだ。誰もが慣れてしまった」
2014年から中共当局は都市の冠水問題を解決するため、地方でのスポンジ都市の建設に対し、2年間で400億元の助成金を出すことを予定していました。しかし数年たっても各地の水害は深刻なままで、数百億元が水の泡になりました。
スポンジ都市のモデル都市のひとつである合肥市は水害の頻発する都市で、全国31か所の重点洪水防止都市のひとつにも挙げられています。合肥市は2016年に、2661平方メートルに及ぶスポンジ都市計画を立ち上げました。スポンジ都市とは、都市が海綿のように雨水を吸収し、水不足になると排出される仕組みを持った都市を指します。
中共官制メディアの新華網は2017年5月に、安徽省がスポンジ都市計画に着手したとして、2017年末までに市内の冠水・浸水地点は基本的に解決させ、2020年までに市内の6割以上の県城区がスポンジ都市建設要件を基本的に満たし、スポンジ都市によって安徽省住民はもはや街の中で「海」を見ることはないだろうと報じています。
しかし今年6月下旬、豪雨が合肥市を襲い、スポンジ都市は海洋都市に様変わりしました。民衆は「海を見た」だけでなく、「海に沈んだ建物」で暮らしています。あるネットユーザーは、「合肥市の街は船を走らせればよい」とやるせない気持ちを吐露しています。
転載新唐人