豪州世論調査、中国への信頼は2割で過去最低、日本の信頼度は8割以上

豪州世論調査、各国に対する「世界に責任ある決定をしている」と信頼感を示すグラフ。日本は英国に次ぎ2位(スクリーンショット)

【脱党支援センター 2020年6月24日】

豪州シンクタンク・ローウィー研究所(Lowy Institute)の世論調査によれば、コロナ危機後の豪州では、最大の貿易相手国である中国への信頼は急激に低下し、多くの人が中国への経済的依存を減らすためにサプライチェーンの多様化を望み、中国の人権侵害に対する渡航および金融制裁を課すことを支持している。いっぽう、豪州では、日本および安倍首相は信頼のおける国・リーダーであるとしてトップレベルに位置付けている。

調査によると、中国について「責任を持って行動する」といった信頼度に関する質問で、肯定した人はわずか23%であり、過去14年で記録された最低レベルとなった。ほとんどのオーストラリア人は英国(84%)と日本(82%)を信頼しており、米国(51%)やインド(45%)よりも圧倒的に高かった。

オーストラリア人の30%が、トランプ米大統領に「世界情勢に関して正しいことをする」という確信を表明しており、2019年から5ポイント増加した。中国の習近平国家主席に対する信頼は22%にとどまり、過去2年間で急激に低下した。

首位は、ニュージーランドのジャシンダ・アーダーン首相で87%、日本の安倍晋三首相が2位(73%)につけ、同国スコットモリソン首相(60%)と野党党首のアンソニー・アルバニーズ氏(58%)よりも高く信頼されている。

オーストラリア人の78%は、米国との同盟は安全にとって重要であると考えている。88%は、2017年に復活したオーストラリア、インド、日本、米国の四国間安全保障対話を歓迎している。

中国については、安全保障上の脅威と見なす人は41%で、経済的なパートナーとして見ている(55%)を下回った。いっぽう、94%が「オーストラリアの経済的な中国への依存度を下げるために、政府は他の市場を探すように努力すべきだ」と答えている。さらに、82%が、政府は「人権侵害に関与している中国当局者に渡航・経済制裁を課すべき」だと考えている。

また、オーストラリアの大学の経営は、海外の留学生に依存している。新型コロナウイルスによる渡航制限で、2020年、大学の収入が劇的に減少した。今回の世論調査では、43%は「大学に在籍する留学生の数が多すぎる」と答えた。オーストラリアの留学生の約38%は中国からだ。留学生の受け入れは教育産業の輸出額に含まれ、2019年は前年比15%増の377億豪ドル(約2兆7240億円)と過去最高となった。

ローウィー研究所が2004年以来続けている年次の世論調査は、今回、2020年3月16~29日までの間で実施された。オーストラリアの成人2448人を対象とした全国の代表的なオンライン調査と電話調査の結果をまとめた。

転載大紀元(翻訳編集・佐渡道世)

関連記事

コメントを追加