【脱党支援センター 2020年6月21日】
国連はソーシャルサイトの公式アカウントで、米国など世界各地で暴力行為を扇動している極左過激派「アンティファ(ANTIFA)」や他の左翼組織を擁護した。
ジュネーブの国連事務所は6月19日(日本時間)、公式ツイッターアカウントで、アンティファが使う旗の画像を掲載し、「アンティファと他の反ファシスト活動家を国内のテロリストとして形容する、米国司法長官の最近の声明に深い懸念を表明する」とした。これは、国連内の自由と平和的な集会の権利に関する専門家グループの見方だという。
国連事務局はさらに、米司法長官の発言は「表現の自由と平和的集会の権利」を損なうと述べた。20日までにこのツイートは削除された。削除に関して説明はない。
米国では全土規模で、警官の過失で死亡した黒人市民ジョージ・フロイド(George Floyd)さんの事故を契機とする差別抗議運動「黒人の命も大切に(Black Lives Matter, BLM)」が起きている。ウィリアム・バー(William Barr)司法長官は5月31日の声明で、一部の都市で起きた暴動には、アンティファや他の過激派組織が暴動に関わっていて、「国内テロ」と例えた。
米当局は、過激派グループとつながりのある特定の個人に対して包括的な調査を行っているという。バー長官は6月8日、FOXニュースのインタビューで、「アンティファに関連する特定の個人には、集中的な調査を行っている」と語った。
ドナルド・トランプ大統領は5月31日、政権はアンティファをテロ組織に指定すると発表した。この表明について、国連のフィヌエラ・ニー・アオライン(Fionnuala Ní Aoláin)氏は、「思想の自由の侵害にあたる」として政権に懸念を表明した。国連によれば、今回のアンティファを擁護する見方は、同氏の意見が含まれる。
アオライン氏は国連で「テロリズムとの対抗および人権と基本的自由の促進と保護に関する」特別報告官を担当する。同氏は、BLM運動に対する米国の対応に遺憾を示した。「国際人権法は、表現、結社、平和的集会の自由の権利を保護している。米国がこれらの基本的権利を損なうような方法で抗議活動に対応することを選択したことは、とても遺憾だ」
アオライン氏はさらに、「テロリズムとの例えを安易に使うことは、合法的な抗議活動を弱体化させ、米国の憲法上の価値観の特徴である表現の自由を衰えさせる」と警告した。同氏は、投資家で左派リベラリストのジョージ・ソロス氏が設立した国際的な助成財団オープン・ソサエティ財団(Open Society Foundations、OSF)の女性プログラム理事長も務める。
アンティファの起源は、ドイツの「反ファシスト」運動にまでさかのぼる。欧州で共産主義革命を扇動するため、旧ソ連が前線作戦の一環として行っていた。在米アンティファは、権威主義に対する闘争と主張している。
アンティファのメンバーは共産主義者や社会主義者、その他の急進左翼で構成される。彼らはただ単に、自分たちのイデオロギーに合わない政党や個人を「ファシスト」とレッテルを貼り、暴力を正当化している。アンティファはしばしば、トランプ大統領支持者に対して暴力的に振る舞う。
6月16日、BLM運動で飛び火したフランスでは、市民と警察との激しい衝突に関わったアンティファのメンバー24人が逮捕された。5月、リヨン市で、警察官を殺害するために銃器を入手した疑いで、アンティファのメンバー2人が逮捕された。
5月30日、日本の東京・渋谷でも、警察に一時取り押さえられたクルド人男性を含む、180人近くの反ファシスト、無政府主義者が関わるデモ行進が行われた。このデモについて、在日クルド人を支援する「一般社団法人日本クルド文化協会」は6月13日、デモの主張に賛同せず、偏見を助長しかねないと批判的な見方を示した。
左翼運動の取材を続ける米ジャーナリストのアンディ・ノー(Andy Ngo)氏は、米メディアの取材の中で、BLM運動に紛れるアンティファに注意が向けられていないことに警告を発している。「主流社会やメディアは、極左過激派が暴力的になることへの正当性と権利を与えている」
転載 大紀元(翻訳編集・佐渡道世)