7月25日、イタリアの科学者チームが、欧州宇宙機関(ESA)の無人探査機「マーズ・エクスプレス」が2012年5月から15年12月に収集したレーダー信号のデータを分析したところ、火星の南極地域にある氷床の下に大きな塩水湖が存在することが分かった。写真はローマで撮影(2018年 ロイター/Alessandro Bianchi)
[ワシントン 25日 ロイター] – イタリアの科学者チームが、欧州宇宙機関(ESA)の無人探査機「マーズ・エクスプレス」が2012年5月から15年12月に収集したレーダー信号のデータを分析したところ、火星の南極地域にある氷床の下に大きな塩水湖が存在することが分かったと発表した。研究結果は、科学誌サイエンスに掲載された。
直径約20キロの湖は丸みを帯びた三角形で、まとまって安定した液体としては火星最初の発見となる。
水は生命誕生に不可欠な存在とされているが、今回見つかった湖に生命体が存在するかが確認できるまでには何年もかかる見込みで、次のミッションはおそらく、氷床を掘って湖水の標本を採取することになるとみられている。
レーダーは、火星の地表や氷床を透過するもので、地球の南極とグリーンランドの氷河下にある湖に酷似した反射が確認された。
イタリア国立宇宙物理学研究所のロベルト・オロセイ氏は、湖水の温度は氷点下だが、高い塩分濃度などの要因から液体を保っているもようで、水温はマイナス10からマイナス70度と推定した。
火星には乾燥した湖底や水峡の痕跡が見られ、はるか以前にはより温暖湿潤で、大量の水が存在していたとみられている。水の活動があったことを示す痕跡が地表に存在することから、現在も水が存在していることを示す兆候は見つかっていた。
(轉載新唐人)