【2020年3月19日】(中国=明慧記者)2019年12月から2020年1月初めにかけては、ちょうど延べ30億人の中国人が帰省するピークの時期である。この時期、湖北省武漢市では突如として「新型コロナウィルス」が広がっていった。
武漢市は湖北省政府の所在地の都市で、中部6省の唯一の副省レベルの都市でもあり、全国の重要な工業基地、科学教育基地と総合交通の中枢となる地域でもある。武漢市では戸籍上の人口は908.35万人で、流入人口は510.30万人いる。武漢は江漢平原の東部、長江の中流に位置し、長江と最大支流の漢江はここで合流し、中国の経済と地理の中心部として、「9省をつなぐ大通り」と称されている。交通では水・陸・空とも中国内陸の最大の中枢でもあり、長江中流の水上運輸の中心部かつ、全土の半分以上を網羅する高速鉄道網を有し、華中圏内で唯一、世界五大洲の都市へ直航することができる都市でもある。
地理の上で中国の重要な中枢として、武漢は今回の新型肺炎の理想的な拡散地の中心地にもなった。2020年1月26日、武漢市長は非常に恐ろしい数字を公表した。それは、当局が武漢市を封鎖すると宣言した後、約500万人が武漢を離れ、900万人が市内に残されたのである。
2020年2月28日の時点で、新型肺炎(武漢肺炎)は武漢から海外の60近くの国と地区に蔓延していった。中国の中央テレビ局のニュースによると、湖北省内の武漢肺炎の感染が確認された患者数は6万6337人で、中国国内の感染確認者は累計7万4567人で、死亡者数2117人、感染の疑いがある者は5248人であると報告した。しかし、中国政府のデータはずっと人々に疑問に思われている。
現時点での海外の感染確認者は5200人を越えおり、90人が死亡した。
一、 当局は報告者を連行し、7~8週の間疫病を覆い隠す
武漢コロナウィルス肺炎の初期感染は、2019年12月の初めに発覚した。しかし、2019年12月31日に武漢市衛健委員会がネット上で「不明な肺炎」の通達を発表した後に、各界はこれについて、ある程度知るようになった。当局は、2020年1月に20日になってようやく「人から人への感染が可能である」と認め、1月23日に武漢市を封鎖した。
通達は「市衛生健康委員会より、不明な肺炎の救急処置に関する緊急通知」と書かれており、通知の対象は武漢市の各医療機関で、「武漢の華南海鮮市場で続々と不明な肺炎の患者が現れており、そのため、各部門は最近1週間この特徴のある症状患者を調べ、統計するように求める」という内容であった。その時、武漢の住民たちは、重症急性呼吸器症候群(SARS)の再来ではないかと、不安を感じたという。
2019年12月31日、中国の衛健委員会のハイレベルの専門家チームが初めて武漢に到着し、感染確認の三大基準を確定した。華南海鮮市場との接触歴があること、発熱の症状があること、すべてのゲノムシーケンシングを解読すること、この三つの基準に達していれば、最終的に感染確認することができる、とした。『財新』の「四大IUC主任のウィルス詳細説明」などの報道文を含めて、中国共産党専門家チームが決めた基準は「とても厳しい」と指摘する声が多くあった。これを基準にすると、多くの初期の感染者を治療、隔離することが出来ず、多くの感染者が漏れてしまい、社会に大きな危害を及ぼし、抑制の最も肝心な時期を逃してしまう、というのである。
2020年1月1日、武漢の8人の医者はウィーチャット友人グループで疫病の情報を知らせたため、現地公安局の警官らに連行され、さらに、最も知られているミニブログサイトで晒された。当局はすべての中国国民に対し、このような「デマ」を拡散しないようにと警告した。この時点で当局は、感染の情況を覆い隠し、真実を伝えた医療関係者と国民を逮捕し、事情を知っている医療関係者に疫病の情報を外部に漏れないようにと要求した。それと同時に、感染を「防ぐことができ、抑制することもできる」、「人から人への感染はない」と嘘の情報を発表したため、感染が一気に全国へ広がっていった。
1月1日、中国国内のメディアの報道によると、武漢市江漢区市場監督管理局と江漢区衛生健康局は共同で「休市整備に関する公告」を発表した。公告は、国家国務院の「突発公共衛生事件の応急条例」などの法規条例、および武漢市衛生健康委員会の「現在の私達の都市の肺炎情況」の通達により、「会議で話し合いを通じて、華南海鮮市場に対して休市することを決定し、環境衛生の整備を行なう」と言った内容であった。
1月2日、中国海軍工程大学警通勤務連は、「外来者進入禁止の知らせ」を下達した。中国共産党海軍は2019年に武漢での不明疫病の状況を知り、「2019年298号」感染予防の正式文書を伝達した上で、中部戦区域総医院はすでに事情を把握したとの内容が、知らせの中に書かれた。
1月3日、当局は「神秘的な疾病」と似たような症状が出た患者は44人と報告したが、その後、「武漢肺炎」の感染源、伝播方式、人から人への感染ができるかどうか、途中で変異することがあり得るのかどうか、などのことについてすべてが明らかになっていない状況下で、一部の政府メディアは「防ぐことができ、抑制することもできる」と報道した。1月10日、中国新華社はSARSの当時の治療に参加した呼吸の領域での専門家の王海竜医師を取材した。王医師は現在のところ、武漢では死亡者はまだ出ておらず、人から人への感染については明確な証拠もなく、医療関係者の感染はまだ発覚しておらず、国民は心配する必要がないとコメントしたという。
1月5日、上海市の復旦大学附属公共衛生臨床センター(上海市公共衛生臨床センター)は、国家衛健委員会に提出した内部報告書から、2020年1月5日に武漢市華南海鮮市場の不明な肺炎患者の呼吸から、SARSと類似しているコロナウィルスが検出され、このウィルスのすべてのゲノムを検査した。その結果、この種のウィルスはSARSコロナウィルスとの類似率は89.11%に達し、Wuhan―Hu―1コロナウィルスと命名されたことが分かった。
1月8日、病気の原因は新型コロナウィルスだと確定した。2月12日、世界保健機関は今回の新型コロナウィルスを正式に「COVID―19」と命名した。
1月11日、中国政府のメディア『人民日報』の報道によると、国家医療専門家チームの専門家、北京大学第一病院の呼吸科と重症医学科の主任・王広発医師は、現在のところ、このウィルスの病原性は「比較的弱く」、患者の病状と全体の状況は「抑制できる状態」にあると発表したという。
1月14日、中国政府の影響を受けた世界保健機関(WHO)は会見で、武漢肺炎を引き起こした2019新型コロナウィルスは、「限度のある」人から人へ感染が現れ、主に家族間の小規模の感染に限られているが、疫病が拡散し蔓延する可能性もあると発表した。世界保健機関は世界各地の病院のために防疫指導方針をすでに提供し、医療機関内の「スーパースプレッダー」(超拡散)の状況を含めて、疫病の蔓延を防ぐ体制をとっているという。
しかし、発表してから間もなく、世界保健機関は中国政府の発言を引用して、新型コロナウィルスの人から人への感染を証明する明確な証拠がないとはっきりと説明した。世界保健機関は電子メールを通して、「中国政府の初期段階の調査によりますと、新型コロナウィルスの人から人への感染が可能であることを示す明確な証拠がなく、限られている範囲内の人から人への感染することを示す明確な証拠もありません」と、『アップル日報』に返答した。
1月15日夜明け方に、武漢衛健委員会は現在のところ、新型コロナウィルスの人から人への感染を証明する明確な証拠がないと言い続けると同時に、「人から人への感染する可能性を排除することはできず、人から人への感染するリスクは比較的低い」と発表した。
1月17日、世界保健機構伝染病モデリング合作センター(WHOCollaborating Centre for Infectious DiseaseModelling)、イギリスインペリアルカレッジMRC全世界伝染病分析センター(MRCCentre for Global Infectious DiseaseAnalysis)は、「推定によると、武漢の新型コロナウィルスの潜在患者は恐らく1723人を上回り、現在公表している数より遥かに大きいと考えられる」という報告を発表した。
1月27日、武漢市長の周先旺は中央テレビ局の取材を受けた時、武漢では疫病の情報を公表するのが遅れていることを認めた上で、彼は「地方政府として、私はこの情報を得た後、権限を与えられてから、はじめて公表することができます」と発言した。
1月18日、武漢市政府はすでに十数人の医療関係者が感染している情報を掌握した上で、新型コロナウィルスは人から人への感染することを知っていながら、武漢市百歩亭コミュニティで依然として「第20回万家宴会」を開催した。今回の万家宴会では、4万人余り家庭から1万3986品目の料理が提供された。イベントが終了後、新型コロナウイルスの感染が拡散し、国内外からの非難が寄せられた。コミュニティのスタッフ・許志さんはメディアの取材に応じ、「18日の時点では、武漢はまだ封鎖されていませんでしたが、内部からいくつかの情報が入ってきて、封鎖すると聞きました。しかし、宴会は平常通りに行なわれました」と話した。
中国政府のマスコミは、百歩亭コミュニティのある住民委員会の関係者・江強(仮名)の話を引用する形で、百歩亭の感染状況を報道した。江強によると、「1月初め、肺炎の情報を聞きました。しかし最初は『防ぐことも抑えることもできる』と公表し、あとになって『人から人への感染も排除もできず』と変わりました。万家宴会の3日前(1月15日)に、私達は住民委員会に万家宴会をキャンセルした方がいいと主張しましたが、役に立ちませんでした」
1月19日、『楚天都市新聞』は、「1月20日から、武漢市文化局と観光局が主催している2020春節文化旅行イベントは間もなく起動し、20万枚の旅行サービス券は無料でご予約できます」というイベント情報を掲載した。
本部は米国ワシントンにある「中国の人権を守る」という人権組織は、1月22日から1月28日まで、ごく短い1週間以内に、当局は少なくとも325人の中国の国民を逮捕した。公開されたデータによると、これらの中国人の大多数は「デマを飛ばす」、「パニックを引き起こす」、あるいは「何かを捏造して公共の秩序をかき乱す」のレッテルを貼られて、行政拘留、罰金、訓戒などの処罰を受けたと公表した。
二、中国共産党の専門家「人から人へ感染する」
1月20日晩、中国国家衛健委員会ハイレベル専門家チームリーダー・鐘南山は記者会見で、現在の資料によると、新型コロナウィルスは人から人へ感染することは確実であると述べた。
1月21日夜明け方、武漢市衛健委員会は、武漢市では15人の医療関係者が新型コロナウィルスの感染を確認し、感染の疑いがある医療関係者が1人いるとした。16人の患者の中で、重症者は1人という報告を通達した。これに対して、外部は中国当局が医療関係者の感染人数を隠蔽しているのではないか、と疑問を感じたという。
1月21日午後、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、武漢に旅行したことがある1人の米国人は、シアトルでコロナウィルスの感染を確認され、すなわち、武漢肺炎にかかった。これは米国初の武漢肺炎の感染例となった。
1月23日夜明け方から、武漢市は封鎖された。すべての道路は通行止めになり、都市の公共交通、地下鉄、船、長距離バスを含めて、空港と駅までしばらくの間封鎖した。1100万人口の武漢市はほぼ全域封鎖された。同時に、湖北省の15都市は封鎖され、その後、北京を含めた13の省・市は相前後して重大な公共衛生事件として、トップレベルで対応した。しかし、感染はすでに中国本土の少なくとも26省・市に蔓延し、さらに海外まで広がった。
1月24日(大晦日)、習近平は国民に向けて演説した。この時、感染はすでに全国範囲に拡散し、そのために武漢市は封鎖されたが、習近平の演説の中で武漢について一切触れておらず、疫病のことに言及しなかった。
1月25日、ハーバード大学の公衆衛生学教授のエリック・ファイグルーディン (Dr. EricFeigl―Ding) 博士は、武漢肺炎を引き起こした新型コロナウィルスの感染力の指数は3.8だと推定し、核兵器レベルに相当する伝染病であるという。
1月27日、武漢市長の周先旺は中央テレビ局の取材を受けた時、武漢市が疫病の情報を隠蔽したことに対する外部からの批判の声に対して、「地方政府として、権限を与えられてから、はじめて公表することができます」と敏感な情報を漏らした。
1月28日、北京は一部の鉄道運輸を停止し、天津は戦時体制を開始したと宣言した。
1月28日、中国当局の武漢肺炎を対応する振る舞いに対して、米国の高級衛生官員は、「北京は米国の援助を拒否している」と発言した。火曜日(1月28日)、アメリカ保健福祉長官衛生アレックス・アザー部長は記者会見で、「北京政府は、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)の官員が中国武漢へ入り、新型コロナウィルスの対抗に協力する提案に対してずっと拒否しています。つまり、米国は1月6日にすでにこの提案を出して、疫病が迅速に広がるにつれて、米国の官員は北京に透明性を高めるようと、継続して促しています」と述べた。
1月29日、中国疾病予防管理センターと湖北省疾病予防管理センターなどの部門の研究者は、ニューイングランドの医学雑誌で「新型コロナウィルスの中国武漢での初期伝播」という論文を発表し、「現有の証拠から判断すると、2019年12月以来、濃厚接触で人から人への感染が発生した」と書かれていた。中国疾病予防管理センターは、1月初めに「人から人への感染」をすでに知っていたが、わざと覆い隠していたことがこれで明らかになった。
1月29日、『ニューイングランド医学雑誌』(theNew England Journal ofMedicine、略称NEJM)は、「新型コロナウィルスの中国武漢での初期伝播」(EarlyTransmission Dynamics in Wuhan、 China, of NovelCoronavirus–InfectedPneumonia)の研究報告を発表し、報告書の中で武漢における2019年12月1日~2020年1月22日までの総計425人の武漢肺炎の早期患者のデータについて分析した。
1月30日、中国衛生業界の元高官、中国健康教育研究所の所長・陳秉中は、大紀元時報に次の内容を公表した。「武漢は今緊急事態に陥り、内部からの情報によると、緊急措置をとるにも手に負えないほど患者が多くて、一つの病床さえ手に入り難い貴重なものになっている。中国政府が公表した数字は、武漢病院の実情と一致しない」
1月30日の木曜日、イタリア政府は国内では2例の新型コロナウィルス患者が確認され、この患者は、最近、イタリアに旅行しに来た中国観光客であると発表した。
米国で武漢肺炎の最初の人から人への感染者が出た後、米国の衛生部長は、「2月2日から、湖北省から帰国したアメリカ人は14日間強制隔離をしなければならならず、過去の14日間に中国への渡航歴がある外国籍の旅客の入国を禁止する」と宣告した。
アメリカのトランプ大統領は、大統領命令に署名した。2020年2月2日午後5時から、過去14日間中国に訪問したことがある外国籍の者に対して、米国国民あるいはグリーンカード所有者の直系血族を除いて、入国を禁止する。中国から米国への航空便はすべてサンフランシスコ、ロサンゼルス、シアトル、ニューヨークでケネディ、シカゴ、アトランタなどの主要な国際空港に着陸するようにさせ、それは集中的に入国の検査をするためであるという。
同時に、アメリカン航空は2月2日から3月27日まで、中国の往復フライトを一時停止し、デルタ航空は2月6日から4月30日まで、すべての中国行きフライトを一時停止し、ユナイテッド航空は2月6日から3月28日まで、北京、成都と上海のフライトを全面的に停止した。ユナイテッド航空は1月28日、すでに2月1日から2月8日までの北京、上海、香港の一部フライトを一時停止した。米国国務院は中国への旅行を最高の第4級警戒レベルに引き上げ、「行くな」と呼びかけた。
2月3日、中国外交部のスポークスマンは、中国は1月3日に疫病の状況を米国に30回以上伝達したと公表したが、中国の国民は何も知らなかった。中国共産党の内部では、特に軍隊、衛健委員会これらの部門は、2019年末に「不明な肺炎」、「感染の恐れがある」について、すでに予防措置をとっていた。しかし、当局はずっと国民に対しては、これら疫病の事実を覆い隠した。
2月5日、イギリスの伝染病学者ニール・ファーガソン教授は、分析模型により、中国当局の毎日発表する数字は、実際の人数の10%だと推測した。その上、武漢肺炎の感染スピードは5日ごとに倍増すると証した。
2月6日、外国のメディアは、米、英、日、オーストラリアとインドネシアなどの国は、全て専用機で中国から僑民(※1)を撤退させたと報道した。
2月7日、最初友達グループで情報を拡散した発信者の中の1人、武漢市中心病院眼科の李文亮医師は、武漢肺炎に感染して死亡した。「李文亮医師が亡くなられる」という情報は、ミニブログで最も注目される情報として、アクセス数が5.4億回を超えて首位になったが、その後、すべてが削除された。
2月8日の土曜日、米国駐北京大使館は、新型コロナウィルスの感染により、初めて米国の国民の死亡者が出たと公表した。公表によると、死者は華中科学技術大学のアメリカ籍の中国系の教授だという。
2月9日、武漢肺炎は引き続き広がり、中国国内では多くの感染者が現れ、中国にいる外国籍の人民にまで及んでいる。
2月11日、中国国務院は、湖北省以外の省・区・市に対して次第に仕事を再開するよう求め、審査するなどの口実で企業再開を制限する部門に対しては、関連部門が制止するという。
2月17日、共産党の両会議が延期されたと発表された。国民はネット上で、「仕事の再開を要求しながら、両会を延期した。一般国民の命は大事ではないということか?!」と怒りを感じた。
三、中国政府が発表した数字は、実際の数字との差が5倍~52倍
2月中、チチハル市の建華区の運建団地ある高齢者マンションで、48人の中で23人が武漢肺炎の感染を確認され、他の住民は隔離された。マンションに住む住民の話によると、旧正月の新年の時、見舞いに来た娘や息子達から感染され、ウィルスが十数日潜伏した後にやっと発覚した。このマンションが感染されたことは、隠蔽されたままで報告されなかったという。
この高齢者マンションの近所のビルは、すべての扉は溶接で封じられ、一つの小さい窓だけがそのまま残されている。
仕事再開の命令が下達された後、当局が公表した感染確認された人数が下がった。専門家と民間は、中国国内には少なくとも10万の感染者がおり、政府の数字より遥かに大きいと指摘した。各地で仕事の再開によって第二次感染が引き起こされる恐れがあり、武漢の感染状況が引き続き悪化する以外に、抑制することが出来なくなると他の都市まで蔓延し、特に北京は外部からの感染を懸念している。
2月17日、中国疾病予防管理センターは、『中華流行病学雑誌』で発表した論文の中に、2019年12月31まで、武漢と湖北ではすでに104人の新型コロナウィルスの感染者が現れたと発表した。しかし、武漢市衛健委員会は12月31日に、最初に公表した数字は27例であった。両者の違いは4倍近くの差がある。
論文では、2020年1月1日から10日まで、全国で感染確認された患者数は653人(88.5%は湖北省内)増えたと書かれた。しかし、武漢市衛健委員会は1月11日に、1月10日24時までの感染確認者数は41例と発表した。両者の間の差が約15倍になる。
2月19日、山東省だけで少なくとも49人が感染の確認を診断されたが、2月20日の統計報告を見ると、山東省は2人しか報告しなかった。実際の数字は政府が公表した数字との差が24.5倍であることが分かった。
2月23日、中国武漢市は封鎖され1カ月になる。
山東省の「検査統計毎日報告表」によると、2月9日~23日の間、山東省各医療機関が、衛健委員会に報告した当日の武漢肺炎の陽性反応患者数は、最小差値でも政府が公表したデータの1.36倍で、最も差が大きいのは「中国政府版」の52倍であることが分かった。
2月24日、米国連邦疾病予防管理センターは、イタリアへの観光を第1級警戒レベルに引き上げた。
2月24日、武漢当局は午前11時に「封鎖」を解禁すると公表したが、3時間も経たないうちに、再び通告を無効にし、「午前の解禁するとの通告は、市指揮部傘下の交通防衛チームが、指揮部と指導者の同意を得ずに発表したものであり、現在、この通告は無効であることを通知する」と説明した。同時に、ネット上で午前の通告の転送と論評する機能がすぐに閉鎖された。
この朝改暮変(※2)のやり方に対して、ネットユーザーは、中国共産党の高層内部での闘争が激しいと見ている。
2月20日~25日、イタリアは海外で最も感染が深刻な国家となった。イタリアの元衛生部長のBeatrice Lorenzin氏は、「おそらく中国の感染者は飛行機の乗り換えで、出発地を申告せずにイタリアに入国あるいは経由し、彼らがウィルスの潜伏期内で自らを隔離せず武漢肺炎をイタリアで拡散した」という見方を示した。
イタリア、イランと韓国の患者数は激増したことに対して、国際社会が注目している。
2月25日の火曜日、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)は、「武漢肺炎はアメリカ本土で広がる可能性があり、万全な準備をしっかりと行なうように」と国民に呼びかけた。この呼びかけにより、アメリカ疾病予防管理センターの感染の状況に対応する基調が、変化したということが示された。アメリカの主要な株価指数が月曜日に暴落した後、火曜日に引き続き下落した。
2月26日のメディアの報道によると、最初に中国の武漢で発生した新型コロナウィルス肺炎は、南極大陸以外のすべての大陸に拡散した。東アジアの韓国と西アジアのイランはすべて「被害が深刻な地区」になった。イタリア北部の多くの都市と町も感染者が激増した。その他に、アフリカと南米も感染確認された患者が出たという。
世界保健機関(WHO)は世界の各国に疫病への準備体制をとるようにと求めた。アメリカは、この疫病が全世界の広範囲での蔓延はすでに「避けられない」とし、もはや、時間の問題だと勧告した。
2月26日、国際社会のメディアの報道によると、韓国はすでに、中国以外の新型肺炎の最も感染者が多い国となり、1週間のうちに数十人から1200人を上回った。
2月25、26日の頃に、チチハル市鳳凰団地の住民の話によると、ある年配の女性は絶望する中で、飛び降り自殺を図ったが、生死は不明である。造紙工場団地のある男性は首をつって自殺した。遺体はすでに葬儀場に運ばれたという。これに対して、現地の当局のメディアは、「最近、ネット上で鳳凰団地の住民が飛び降り自殺したという映像を流した。事実を確かめたところ、その映像は牡丹江市鳳凰団地で発生した事件と見られ、私達の鳳凰団地ではないことが明らかになった」と、これらの「デマ」を打ち消した。
2月29日、情報筋によると、黒龍江省チチハル市第一病院CT課室のある医療関係者は、新型肺炎の感染を確認した。現在、この病院には100人余りの新型肺炎の患者がおり、その中に医療関係者が含まれている。しかし、これらの数字は一切報告していない。そうでなければ、政府の「疫病に対抗する宣伝」と報告する数字の要求に違反するからである。
2月26日、武漢肺炎の感染事態はまだ先が見えず、至る所に悲しみと悲鳴が満ち溢れている。その中で、北京新華社は中国共産党宣伝部、国務院報道弁公室の指導の下で、五洲伝播出版社と人民出版社は共同で緊急に製作した『大国戦「疫」――2020中国新型肺炎退治進行中』が間もなく出版されると報道した。全作は10万字余りで、中国共産党が「力強く効果的に」疫病を抑制し、「疫病を退治するヒーロー」の姿が描かれたものである。また、英、仏、ロシア、アラビア語の翻訳版も出版する予定であるという。
2月26日、中国国内のメディアの報道によると、湖北省公安庁からの情報により、2月25日17時の時点で、湖北公安部門の293人の警官、111人の補助警官が新型コロナウィルスに感染し、4人の現役の警官が武漢肺炎で死亡したという。湖北省公安庁の統計データの表示の通り、各業種の警官の感染状況を見ると、派出所の警官が感染した割合が高く、感染者の47.4%を占めている。
四、中国共産党は世界を騙し、葬儀を偉業に変身させる
中国共産党中央、湖北省と武漢市当局は、遅くても2019年12月の初めにすでに感染の情報を知っていたが、2020年1月20日になって初めて公開し、1月26日にやっと防疫チームを設立した。少なくとも1カ月と二十数日間疫病を隠蔽し続け、対策措置を遅らせたことによって、感染は抑制できなくなった。そして武漢から全国へと蔓延し、さらに全世界まで拡散していき、防疫体制の遅れを招き、予防と抑制のチャンスを逃した。
武漢市長・周先旺は武漢肺炎を覆い隠した責任を中国共産党中央になすりつけたが、習近平は、1月7日に感染の防衛に関して、すでに対策を出したと公表した。
そして、中国共産党衛健委員会、武漢疾病予防管理センターも責任を逃れようとしている。彼らは何度も国内外のメディア向けに論文を発表し、その中で、随分前から疫病の発生を把握したことをほのめかし、迅速に蔓延した原因は、政府の怠慢だとした。
また、中国共産党の医療機関も責任を逃れようとしているが、それらがずっと政府と一緒になって、感染をひた隠しにしていたことは、否認できない事実である。同時に、初期の疫病の対応は適切でなく、非難を受けた。
中国共産党の疫病の隠し方と虚言の宣伝の仕方は巧みで、手慣れているため、外部の者は本当の感染規模を正確に知り得ない。現在、多くのウィルス感染の疑いがある患者に対して、検査を行なわず、診断せず、受け入れず、家に帰らせて「各自で隔離する」という措置をとり、「感染はすでに抑えられた」との仮相を作り出し、感染確認の人数を「消去」した。これらは全て、国際社会からの圧力を軽減するために取られた措置である。
米国の財政経済雑誌『巴倫』(バロンズ投資専門週刊誌)は、最近、リサ・ビーブス(Lisa Beilfuss)氏の記事を掲載し、中国政府が公表したコロナウィルスの感染の数字について、明らかに疑問を感じたと記載した。
米国の量化金融専門家は、『巴倫』が提供した中国政府のデータについて分析した後、報道された死亡人数は簡単な数学の公式で正確に計算できることに気づいた。ある係数R平方(Rsquared)の統計方法で計算すると、方程式から99.99%の正確さで完璧に一致する数字が得られた。つまり、死亡人数の更新データはほぼ予測することができる。「真実なデータは、永遠にこのような状況になるはずがなく、いつも外れた数値が出されている」と 金融専門家は言った。
中国共産党の駐米国大使館は、『巴倫』雑誌の疑問に対して反応しなかった。外部は、中国当局が疫病を覆い隠すやり方は武漢新型コロナウィルスの危険性を高め、全人類に災難をもたらすに違いないと認識した。
最近、米国ホワイトハウスの前首席戦略顧問スティーブン・バノン氏は、メディアの特別取材に応じた。主流メディアはすべて中国共産党のために宣伝しており、すべて中国共産党の宣伝を繰り返しているとバノン氏は証した。
バノン氏は「中国人は巨大な心理的傷害に耐えていて、心理的に見ても傷つけられています。中国はもともと家庭を基盤とした社会であり、祖先が亡くなられた時には、悼み悲しむ過程があるのが普通で、これはあなた達の権利です。数千年来、これらを踏襲してきた社会です。しかし今、彼らは中国共産党の副首相の要求通りに、一軒一軒扉を叩き体温を計り、もし、あなたはこのウィルスがあると言われたら、あなたは隔離区に連れられ、そこは病院ではありません。そこに着いたら、あなたの家族はもうあなたに永遠に会えなくなり、あなたがそこを離れる時は、死体袋の中に横たわって救急車で運ばれ、火葬され、骨灰はどこに投げられたか分かりません。そのため、中国人にもたらされた心の傷はとても深いものです。これは全て中国共産党がもたらしたものです」と語った。
ファイアウォール(※3)を必ず取り除かなければならない、中国人にこの世界の検閲されていない真の情報を見せるべきだ、とバノン氏は特に強調した。中国共産党の行為から、バノン氏は次の2点のことを感じたという。第一は、中国共産党は中国国民のことを気にしていないこと、死亡者数を気にしていないことである。第二は、彼らは世界中の人々を気にしていないこと、彼らがずっと気にかけているのは、つまり彼ら自身の権力、あの堅固な権力だけであるということだ。
「中国共産党は無神論を唱え、神を認めず、物を崇拝し、ただ権力と金銭だけを信じています。彼らはサタンの人間の代表であり、だから天国を信じず、善良な概念などありません。この政権は世界で最もよく働き、最も品格のある中国国民や信仰のある中国国民を弾圧しています。法輪功からはじまり、チベット、キリスト教家庭教会、カトリック教会に至るまで、中国共産党はすべてを惜しまず打撃するのは、なぜでしょうか。中国共産党を永遠に中国人に信仰をさせるわけには行かないのです。中国共産党は合法的な政権ではなく、彼らはゴロツキの政権であり、ヒトラーの政権やムッソリーニの政権に酷似しています」
「長年来、人々は中国共産党による臓器狩りを見て見ぬふりをし、チベットとダライラマの受けた迫害を見て見ぬふりをし、新疆ウイグル人の受けた迫害を見て見ぬふりをし、地下キリスト教会に対する鎮圧を見て見ぬふりをし、法輪功に対する迫害を見て見ぬふりをし、バチカンと中国共産党との協議を無視し、中国地下カトリック教会を裏切ったことを見て見ぬふりをしています」
「今、人々は見てみぬふりが出来なくなりました。この中国共産党からの悪魔のウィルスは、すでに世界各地で蔓延しています。あなたが億万長者であろうが、どんなに高い地位にある者であろうが関係なく、この武漢コロナウィルスはあなたを襲ってきます」バノン氏は語った。
この20年間、中国共産党はある程度この世界をコントロールしてきた。このすべてが歴史になり、永遠に繰り返すことは許されない。中国共産党の存在しない世界こそが正常なのであり、平和な世界になるものだと確信する。
(※1)僑民(きょうみん:本国の国籍を持ちながら、外国に居留している人)
(※2)朝改暮変(ちょうかいぼへん:命令や制令、法律などがすぐに変わってしまい、しっかりと定まることがないこと。 朝に出した命令や法律などが、夕方には変わるという意味から)
(※3)ファイアウォール(防火壁のこと)
転載明慧日本
(中国語:https://www.minghui.org/mh/articles/2020/3/1/401886.html)