インターネット検閲を監視する国際団体「シチズンラボ」(本拠地=カナダ トロント)は3日の報告書で、中国の各SNSは昨年12月から、すでに新型肺炎に関する投稿を検閲していたと指摘した。
同ラボは中国大手IT企業テンセント(Tencent)が運営する無料インスタントメッセンジャーアプリ「WeChat」とライブ動画配信サービスを手がける「YY」(歡聚時代)の昨年12月~今年2月までの監視動向を分析した。
報告によると、この期間中、検閲対象となったキーワードは「渡航勧告」「人から人への感染」、そして習近平国家主席と地方幹部に批判的な言葉、新型ウイルスの政策に関する言葉などが含まれている。マルコ・ルビオ米上院議員(共和党)は中国共産党の隠蔽が世界を危険にさらしたと批判した。
新型ウイルスが発生した昨年12月、「新型ウイルスに関する投稿についての政府指導」がテンセントとYY社に通達され、検閲は今も続いているという。
また、武漢市の李文亮眼科医師など8人が12月30日に新型肺炎の発生について注意を呼びかけた後、YYは翌日、「武漢の不明肺炎」「武漢海鮮市場」など45個の検閲キーワードを追加した。
李文亮医師が2月6日に死去した後、市民らはSNSで追悼するとともに、政府を厳しく批判していた。同ラボによると、中国当局はさらに検閲を強化し、「ウイルス」「李文亮」「中央政府」「感染病」などの言葉に規制をかけた。
中国共産党政権の隠蔽工作について、マルコ・ルビオ議員は3月1日、FOXニュースの取材で、中国当局は全世界を危険にさらしており、多くの国で感染者が急増していると批判した。
「感染が発生した当初から情報を公開すべきだ」と同議員は述べた。
「中国共産党は新型肺炎を封じ込めることよりも、自分のイメージを守ることに関心がある。これが根本的な問題だ」と付け加えた。