諸葛孔明の妻は本当に醜かったのか?

TOPSHOT – A Chinese woman dressed with a traditional bride costume, poses during a wedding performance as part of the She Huo festival, to celebrate the Lunar New Year, marking the Year of the Dog, in Hancheng, Shaanxi province, on February 16, 2018. The Lunar New Year falls on February 16 this year, with celebrations in China scheduled to last for a week. She Huo festival, celebrated in the northwestern China, is a festival dedicated to the gods of earth and fire. “She” literally means “God of Earth” and huo means “God of Fire.” / AFP PHOTO / FRED DUFOUR (Photo credit should read FRED DUFOUR/AFP/Getty Images)

古代中国では、結婚式の際に花嫁が「紅蓋頭(ホンガイトゥ)」と呼ばれる大きな赤い頭巾をかぶる習慣がある。実は赤い頭巾を最初に使った女性は諸葛孔明の妻・黄月英であるという言い伝えがある。

黄月英は沔陽(ミェンヤン・現在の湖北省仙桃市)の役人、黄承彦の娘として生まれた。幼い時から勤勉で兵書(戦術などを記した本)を読み、天文、地理等どの学問にも精通し、文才があり、戦いの策略を立てることに優れていた。

一説に、彼女は大柄でガッシリとした体型だったため、「醜女」とされていたと言われている。また一方では、実は容姿端麗であったためにまわりの若い女性から嫉妬され、その容貌をけなされていたという説もある。しかしながら、彼女はそんなことを気に留めなかった。なぜなら、彼女の中では結婚相手の条件が決まっていたからだ。やがて結婚の時期が迫り、諸葛孔明が博学で人柄もよく、尊敬に値する人物であると聞いた黄月英は、父親にある提案をする。それは、諸葛孔明の心を確かめるために、自分の容貌がひどく醜いと彼に伝えてほしいということだった。

そこで父親が諸葛孔明に、「私には黄ばんだ髪で色黒の醜い娘がいますが、彼女には素晴らしい才能があり、あなたにふさわしいと思うのですが」というと、彼は意外にも、迷うことなくすぐに結婚を承諾した。彼は以前から黄月英が聡明であることを知っており、この結婚を長らく待ちわびていたのだった。

後日、諸葛孔明が正式に結婚のあいさつをするために黄家を訪れると、突然どこからともなく2匹の犬が現れて襲い掛かって来た。騒ぎを聞きつけた女中がやってきて2匹の頭をたたいて耳をひねると、驚くことに、先ほどまでの凶暴さは消え失せ、たちまち廊下に鎮座した。不思議に思って2匹をよく見てみると、実は木で作られたロボットだった。その途端、彼は笑いをこらえられなくなってしまった。隣で黄承彦が、「娘がいたずらをしているのです」と告げた。結局この日、諸葛孔明と黄月英が顔を合わせることはなかった。

そして迎えた結婚式の日、黄月英は、諸葛孔明がどんな態度で自分を妻として娶るのかを知りたくて、わざと顔が隠れるほどの大きな赤い頭巾をかぶることにした。頭巾をめくったときの彼の反応が楽しみだった。諸葛孔明は何も言わずに頭巾をめくった。しかしそこに美しい女性を目にして戸惑った彼は、何かの間違いだと思い込み、きびすを返してその場を離れようとした。黄月英は慌てて彼を引き留め、これまでの経緯をすべて話した。それ以来、結婚式では、花嫁が「紅蓋頭」をかぶるようになったと言われている。

賢く聡明な黄月英は生涯、諸葛孔明を支え続ける良きパートナーとなった。また、諸葛孔明は一生、他の女性を娶ることもなかったという。

(翻訳編集・海花)

( 轉載大紀元 )

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