紫禁城から知る古代中国の五行思想

BEIJING – JANUARY 05: A general view is seen of the Hall of Supreme Harmony in Beijing’s Forbidden City on January 5, 2006 in Beijing, China. The hall is the most important building in the Forbidden City which will close for renovations this week, but will reopen in time for the 2008 Summer Olympic Games, state media reported. (Photo by Guang Niu/Getty Images)

万物は五行(五つの要素:金、木、水、火、土)から成り、物事には秩序がある。一見、複雑に見える物体や現象はすべて「五行」で構成されており、互いに関連しあいながら、目に見えない「法」によって、秩序が保たれていると古代中国人は考えた。

ユネスコの世界遺産に登録されている北京の紫禁城(故宮博物院)は、五行を取り入れた代表的な建築物といえる。金、木、水、火、土はそれぞれ対応する色や季節、方角があり、それらを配慮した造りが紫禁城にみられる。

 金 ― 秋、白、西 (涼しさ、終了、夕日が沈む)
 木 ― 春、緑、東 (成長、目覚め、朝日が昇る)
 水 ― 冬、黒、北 (寒さ、凍土、北国の長い夜)
 火 ― 夏、赤、南、(炎、輝き、繁栄、真昼の太陽)
 土 ― 真夏、黄、中心 (肥沃、成熟)


古代中国人は、成長、繁栄、肥沃といった要素と対応する色、つまり緑や黄色、赤を好んで宮殿に使っていた。明王朝が始まると、紫禁城の東館の屋根は、生命力、成長などを願って緑が使われ、明の嘉靖(1522-1566) 年間には、屋根は緑から黄色に変わった。彼らは、黄色を使うことによって、紫禁城が世界の中心であることを示し、最高で絶大なるパワーがあることを表した。

一方、若き王子の屋敷の屋根は、成長を願って緑が使われ、東に建てられた。また、繁栄、正義、高潔と対応した赤は、柱や壁に使われた。

紫禁城にあった図書館、文淵閣は、黒の屋根に黒の壁が使われた。黒は水と対応し、冬、保存、貯蔵などと対応している。

黄色は土、または中心を意味し、中心は最高の権力を表し、全ての方角を見渡せる。従って、黄色は皇帝のみに許された色であって、皇帝の宮殿の屋根は黄色で、多くの場所に金箔が塗られていた。
 (翻訳編集・田中)

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( 轉載大紀元 )

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