【脱党支援センター2019年1月3日】
米国当局はこのほど、米国の医療機関から盗んだ生体材料を違法に国外へ持ち出そうとした中国人研究者を空港で拘束しました。
容疑者は広州中山大学博士課程の29歳の鄭竃松(てい・そうしょう)で、大学では主に膀胱がんと腎臓がんの研究を行い、最近は米国のベス・イスラエル・ディコネス・メディカルセンターで研究に携わっていました。
米国連邦捜査局(FBI)のカーラ・スパイク氏は「今年12月9日、鄭竃松がジェネラル・エドワード・ローレンス・ローガン国際空港から北京行の飛行機に搭乗しようとしていたところ、米国税関・国境警備局(CBP)の専門家が、鄭竃松が『未申告の生体材料』を密かに所持していると判断した。CBP職員が鄭竃松の荷物を直ちに調べたところ、ビニール袋に入った茶色の液体21本が、靴下の中に隠されているのを発見した」と発表しています。
CBP職員が鄭竃松の搭乗前に、生体材料を所持していないかどうか質問したところ、鄭竃松はこれを否定しました。しかし液体が発見されると、これらは研究とは無関係だと発言を翻し、さらにこれらは友人の陶章(とうしょう)からもらったもので、これらを使う予定はないと主張しました。しかし最終的には陶章の研究に基づきこれらを無断で複製し、さらにベス・イスラエル・ディコネス・メディカルセンターから8本の液体を盗んだことも認めました。
FBI捜査員は、鄭竃松は最終的に、帰国後に盗んだこれらの液体を使って研究を進め、成功したら自身の名前で論文を発表するつもりだったと供述していると発表しています。
鄭竃松は虚偽の発言を行った容疑で拘束されており、液体の成分は鑑定中です。
時事評論家の唐靖遠氏
「この事件は、被害を受けた(医療)機関が生体材料窃盗の被害届を出したのではなく、米国当局が自主的に動いて法を執行したものだ。これは米国がすでに、こうした敏感な業界、特に生物医学分野に焦点を合わせて重点的な調査と法の適用を行っていることを証明している。鄭竃松の事件によって、客員研究員も重要調査の対象の一つになっていることが分かる」
生物医学分野における知的財産権の窃盗は、米国で深刻な問題となっています。現在、FBIとアメリカ国立衛生研究所(NIH)はすでに、全米の著名医療機関71カ所と、知的財産権窃盗事件180件に対する調査を開始していますが、事件への関与が疑われている研究者のほとんどが中国系です。
北京大学経済学部の元教授、夏業良氏
「今、新たな動きがある。過去に中国は毎年、大量の客員研究員を米国の著名な大学や科学研究機関に送り込んでいたが、米国は一般に反対はしていなかった。最近、(中国)国内の一部の大学教授が、私に米国の有名大学との仲介役になってほしいと頼んできた。それで一部の著名な教授に打診したところ、彼らは『今、中国からの客員研究者は受け入れていない』と言う。このことは、中国(中共)が行ってきたことと大きく関係していると考えている」
ある研究者は、中共が中国系研究者を使って米国の知的財産権を大規模に盗んできたことで、最終的にはそれとは無関係の中国人研究者の権益も損なわれていると指摘しています。
転載 新唐人