“・・・私は香港の問題を、日本の良さを認識するために取り上げているのではありません。日本にも多くの問題があり、香港を通して学ぶことがあると考えているのです・・・”———-Ako Tomoko @ Todai
【脱党支援センター2019年12月22日】
2019-12-15) 昨日のTodaiキャンパスでのイベント「今、香港で起きていることについて語ろう」、160人入れる部屋を予約していたのですが、椅子を30追加しても足りず、200人以上の方がご来場下さいました。 ホリジュンさんと、キセキミチコさんのトークと映像、若い人たちによるリレートーク、盛り上がりました! 土曜日にも関わらずきてくださった皆様、ありがとうございました。2時から5時過ぎまで、途中で帰られる人もほとんどおらず、とても真剣に、昨今の香港で起きていることから感じていること、考えていることを分かち合うことができました。そして、この香港の問題は、人ごとではないということを改めて痛感しました。
まずは知ること、そして知ったことをさらに深めようとすること、そして、周りの人たちとも語ってみることが重要だということを互いに認識しました。
内容があまりにも豊富で、フェイスブックではまとめきれませんが、今後私も執筆のなかで表現していきたいと考えています。 今日は疲れもありましたが、言葉にできない不安、恐怖、そしてそうした中でも共有されている感動や創造が私に一気に襲ってきたのか(!)、頭痛ですぐに起きることができませんでした。単に風邪気味かも・・。でも、私も中国で様々な経験をしてきましたので、時々夢の中でうなされるような時があります。自由が奪われ監視を怯える香港の人たち、そしてより極度な監視下に置かれている中国の人たちを思えば、全くなんでもないことなのですが・・・。 「分断を許さない」というテーマでドキュメンタリーを撮っておられる堀潤さん、香港の日常からデモに参加する若者まで撮影されているキセキさんのお話から、イベントは始まりました。 セキさんは、父親の仕事の関係で住んでいた香港を撮ろうと入ったところ、デモが激しくなっていき、現場で見たことをカメラマンとして撮らなければならないと思い、今に至っておられます。デモを撮ろうと決心されたのが1枚目の写真。7月31日です。警察に捕まる瞬間、男の子がキセキさんの腕を掴みました。広東語も英語もわからないが、おそらく「助けて欲しい」と言われたのではないかと。キセキさんはどうすることもできませんでした。
多くの若者が、そのまま捕まえられ、警棒でボコボコに殴られ、警察車両に連れて行かれたそうです。その時から、撮り続けなければ、伝えなければと思ったそうです。 ホリさんのお話で共感したのは、主語をなるべく小さくするということ。「中国は」「香港は」と語るのではなく、そこにいる人たちを見ていくということです。私も自分のエスノグフラフィの研究で心がけてきたことです。一人一人のストーリーを丁寧に追っていく中で、さまざまな事象の輪郭が見えてきます。社会問題の実像をより具体的に、中身を伴った形で描くことができます。ホリさんは、日本の被災地や沖縄、世界の紛争の現場などを取材する中で、警察の暴力化・武力化・軍事化が進んでいることにも言及されました。
1996年から2000年まで私は香港に住んでいましたが(うち1年は上海)、香港がこんな風になるなんて思ってもみなかった。拘束された人たちが受けた拷問やセクシャルハラスメント、催涙ガスの毒性に苦しむ人々の実態を聞いて、どうしてこのようなことが香港で起こっているのか、にわかには信じがたいのが実際のところです。少し前までは思ってもみなかったことが起こってしまうという現実があるのです。日本だって人ごとではない。身近に起こっていることを、自分のこととしてとらえられるように、小さな子どもたちには理解ができない、論争のあるテーマは中立的に教えられないなどと言っている場合ではないと思います。 イベントが終わってからも若い人たちがたくさん質問をしにきました。一緒に議論したいと言ってくれました。遅くまで食事をしながら、語り合うことができました。高校で主権者教育を担当している先生は、香港の若い人たちを招いて授業をしてもらいたいと言ってくださいました。本当に嬉しかった。私も自分のできることをコツコツと続けていきます!
Ako Tomoko @ Todai
「Facebookよりの転載」