【党文化の解体】第6章(13)

【大紀元日本2月10日】

4.大規模な粛清を経て確立された党話
 3)段階を経る一時期の党話と制度としての党話

 ある語句は中国共産党の発展のそれぞれの段階を貫いて使用されていたかどうかによって、党話を「一時期の党話」と「制度性の党話」の2種類に分けることができる。一時期の党話とは、中国共産党が毎回の政治運動に創造かつ使用した党話のことを指して、一時的なもので、その時期を過ぎたら使わなくなる。

 一方、制度性の党話は中国共産党が創立されてからの各時期を貫いてずっと使用されており、中国共産党の最も中核的な、最も重要な、最も中国共産党の本質を暴露できる党話の言葉である。一時期の党話は中国共産党の「変」を現して、制度性の党話は中国共産党の「不変」を現している。一時期の党話を河の流れに伴って動く泥に例えると、制度性の党話は固くて動かない河床そのものだ。毎回の政治運動が過ぎたら、すぐに一時期の党話は淘汰され、その仮面は取り換えられる。中国共産党は「良いように変わった、進歩した」のイメージを国民に見せる。「中国共産党が変わった」、「今日の中国共産党は昨日の中国共産党と違うものになった」と思う人がいるのは、一時期の党話と制度性の党話を見分けていないからだ。

 絶え間のない政治運動は大量の語句を無理に作り出した。下記の例を挙げて説明する。

 1942 <整風運動> 主観主義、セクト主義、自由主義、幹部を審査、裏切り者を摘発、過ちを犯した者を救う、小範囲の自由言論、自白を強要、ズボンを脱ぐ、尾を切り落とす

 1947-1950 <土地改革> 三つの調査、三つの整頓、貧農と雇われ農民に頼って中農を味方にし、富農と距離を保つ、土豪を打ち倒してその田畑を分ける

 1951-1952 <三反五反> 不法資本家、社会主義国営経済に反抗、跳び降り自殺

 1957 <反右運動> 百花斉放、蛇を穴から誘き出す、陰謀・陽謀、右派、右翼機会主義分子、打撃面を拡大する

 1958-1960 <大躍進> 社会主義の総路線、人民公社、一大二公、三面の赤旗、1ムー当たりの収穫量は万斤を超える、3年間自然災害

 1963-1966 <四清運動> 農村における社会主義教育の運動、貧農・下層中農と一体になる、「四つが清らかでない」幹部

 1966-1976 <文化大革命> 派閥、現行反革命、左翼を支持、打ち倒す、文闘争、武装闘争、批判闘争、牛小屋、闘争・批判・改造、「最高峰」論、語録の歌、忠字の踊り、毎日の早朝と夕刻に偉大な指導者のポスターに向けて挨拶をする、毎日のように読む、赤い海洋、毛沢東語録、紅衛兵、反対派、走資派、インテリ野郎、犬の子、判定を覆そうとする動き、立場を間違えた、革命経験交流のために全国規模の大移動、革命の模範劇、赤い代表の会議、黒い後ろ盾、労働者の毛沢東思想宣伝隊、私心と闘って修正主義を批判、文で攻め武で守る、プロレタリア意識を高めてブルジョア意識を打破、革命の若い後備軍、反動組織関係の人物、2月の逆流、農山村に行く、模範人物を大いに宣伝、林彪と孔子を批判、ブルジョアジーの法律上の権利、反動的な学術権威、階級の隊列を整理、広大な天地に大いにやりがいがある

 1977-1989 <「改革開放」時期> 実践は真理を検証する唯一の基準、改革開放、模索しながら進む、黒い猫と白い猫、四つの基本原則、四つの現代化、一部の人に先に裕福になってもらう、中国の特色を持つ社会主義、精神面の汚染をきちんと取り除く、ブルジョア自由化に反対、四有新人、五講四美と三熱愛

 1989-2002 <江沢民時期> 三講、三つの代表、江沢民の八つの対台湾政策、時代とともに進む、先進的な文化、安定は全てを圧倒する

 2002以降 <胡錦濤時期> 調和がとれた社会、人間本位、共産党員の先進性を保つ、八栄八恥、平和的勃興、科学的発展観、社会主義の栄辱観

 「宣伝、貫徹、執行、闘争、労働模範、代表、会議の精神、路線、認識、指導者、上級、呼びかける、奮闘、委員会、思想報告、批判と自己批判」などのような制度性の党話は共産党の組織運営に伴って作られた語句で、これらの語句は「党」の地位、組織構造、思想統制、統治手段、国民との関係などを確立させ、最も中国共産党のカルト本質を表せる語句である。

4)党話と正常な人間社会の言葉との関係
 (1)中華民族の言語に取り憑いている党話

 中国共産党は1種の言語を創造したわけでなく、民族言語の中に党文化の内包を押し込んで、内部から中国の民族言語を変異させた。そのため、党話に取り憑かれた現代中国語は正統の中国語にくらべ、音声の変化が小さく、基本語彙は使用されつつあるものの、句法が変化しているのは、主に白話文運動以降、中国語が欧化した結果である。

 中国語は主に下記の面で中国共産党に変異された。

(2)大量の新しい言葉が作り出された

 例えば:ソビエト革命根拠地、隣接地区、紅軍、闘争、長征、統一戦線、整風、土地改革、互助組、協同化、公私共営、反革命分子の粛清、下放、大躍進、総路線、人民公社、鞍山鉄鋼場憲法、大慶、鉄人、大寨田、龍江の風格、紅衛兵、革命の模範劇、走資派、反対派、大連合、労働者の毛沢東思想宣伝隊、左翼を支持、大批判、自由な発言、チームを粛清、革命委員会、赤色の女性部隊、食糧配給切符、綿布配給切符、食用油配給切符、階級の烙印、政治は元帥(指導者)となる、社会主義が資本主義を圧倒する、同時に推し進めるなど。

 これら語彙は共産党が日常運営と政治運動の中で無理に作り出したもので、漢字を駆使しているが、中国の民族文化とまったく相容れなくて、党文化の色を鮮明に帯びている。

(続く)

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